リフォームで人気の小上がりを作る!新しい時代の和室の在り方
日本家屋が見直されている影響からか、リフォームの際に小上がりを作る人が増えています。小上がりとは、リビングの一角を一段高くして設けた空間のことです。和室だと限定はできませんが、畳を敷いて和室にするケースが一般的。今回は、リフォームで人気の小上がりに焦点を当てていきましょう。
江戸時代にできた土間・小上がり・畳の組み合わせ
江戸時代にできたといわれる土間は、居室との間に作られた土足で歩ける空間です。屋内の一部として壁や天井が設けられ、雨風をしのぐことができます。漆喰や珪藻土、石のタイルなどが敷きつめられていましたが、最近では木材を張って土間にする場合もあるのです。このような土間と小上がり、畳を組み合わせた様式が江戸時代に確立していました。
土間の役割
かつて土間は、かまどや水桶を設け炊事の場所として活用されていました。居住空間と炊事の場所を分けることで、火災を予防し安全性を高めたと考えられています。次第に土間という概念はなくなり、コンパクトな玄関へと変化していきました。
小上がりとは
先に述べたように、小上がりはリビングの一角を一段高くして設けた空間で、畳を張って和室にする場合が多いです。フローリングのリビングであっても違和感はなく、さまざまな使い方ができる癒しのスペースであるといえます。小上がりの広さは4.5畳がもっとも人気があり、段差の高さは30~40cmが使いやすいです。小上がりの広さを決めるときは、リビングとのバランスや使用目的を考えましょう。近年は、ユニットタイプの小上がりも多数販売されており、置くだけで完成します。
和室が再評価されている!小上がりを作るメリットとは
日本ブームも手伝って日本家屋が注目される中、和室が再評価されています。一時リビングを中心とした間取りが人気を集め、和室が全くない家も少なくありませんでした。けれど最近では和室が注目され、リフォームの際に小上がりを作る人が増えています。それでは、小上がりにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
収納スペースを作ることができる
小上がりの下部を収納スペースとして活用することができます。オフシーズンの衣類や普段使用しない物などをしまうことができ、リビングがスッキリするでしょう。収納スペースが少ない住まいでは、とても重宝します。
くつろぐスペースになる
小上がりはソファーや椅子のように腰掛けることができ、くつろぎスペースにもなります。キッズスペースにも活用でき、おもちゃの収納に便利です。客間として使う場合は、布団などを収納しておいてもよいでしょう。また、気分的なことですが、寝転がっても段差があるため床に寝ている感じがしないこともメリットのひとつです。畳に直接座ると立ち上がりがつらい人にもおすすめできます。
おしゃれ感がある
小上がりを設置すると、段差の効果で立体感が生まれ、部屋にメリハリがつきます。部屋のイメージも変わり、おしゃれ感が増すでしょう。狭い家にも広い家にも適しており、さまざまな小上がりを設置することができます。
埃が入りにくい
小上がりには段差があり、一段上がったスペースになります。そのため、埃が入りづらくなり、赤ちゃんを寝かせても清潔感があるので安心です。リビングに設置している場合は、床の高低差で区切ることができます。
デメリットも理解したうえで取り入れよう
メリットがあればデメリットもあるもので、しっかり把握してから設置するようにしましょう。
子どもの落下に注意が必要
小上がりをキッズスペースにしている場合や赤ちゃんを寝かせるスペースに使っている場合は、落下に注意が必要です。少し低い目の小上がりを設置することで、少しは回避することができるでしょう。また、間仕切りや柵を設置して安全を確保するのもよいかもしれません。
部屋が狭く感じる
リビングに小上がりを設置する人が多いですが、設置することで圧迫感が出て狭く感じることがあります。小上がりにはある程度のスペースが必要で、その分、部屋のスペースが減るのは仕方がありません。内装を明るいカラーにしたり、低めの家具を置いたりすると部屋を広く見せることができます。
また、ロボット掃除機を使う場合は一度に掃除ができず、不便に感じることもあるでしょう。ロボット掃除機のメリットは外出時でも自動で掃除が可能なことなので、活用している人は、小上がりの設置を慎重に検討しなければなりません。
バリアフリーにならない
今の時代、バリアフリーにするのは当たり前で、家全体をバリアフリー化している人も少なくありません。とくに介護が必要な家族がいる場合、小上がりの設置は難しいでしょう。
まとめ
ここまで小上がりについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?おしゃれ感があって収納スペースにもなるというのは魅力的で、リフォームの際に検討する人が増えているのは事実です。さまざまな設置方法があり、オリジナルの小上がりを作ることも可能でしょう。しかしデメリットもあり、小さい子どもの落下事故が起きたり、バリアフリーにしたりすることはできません。どうしても設置したい人は、メリットだけでなくデメリットをしっかり把握することが大切です。流行にとらわれず、本当に必要かどうかを見極めましょう。
